部活動の地域移行はなぜ行われるのか?考えられる課題とは?部活動は必要なの?

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こんばんは。あかねです。

休日の部活動を段階的に地域に委託するというニュースがありました。

部活動は必要なのか、地域に移行することは出来るのか、どのような課題が考えられるのかということについて書いていきます。

まずは教師の給料について書いていきます。
これを読んで、教師という職業になりたいと思うか、割に合っていると思うか少し考えてみて下さい。

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教員の給料

教員の給料はどこから支払われているの?

教員は、公務員の中でも特に「教育公務員」と呼ばれています。
学校教育法第5条により、教員の給料は学校の特例を除いて学校の設置者が負担することになっています。学校の設置者とは「地方公共団体」のことですので、都道府県や市が支払うことになります。


特例となるのは義務教育期間にあたる学校です。教員の給料の支払いについては「市町村立学校職員給与負担法」において定められています。

それによると、市町村立の義務教育学校の教員や学校職員の給料は公立学校の教員であれば、都道府県が負担することとなっています。これが「県費負担教員制度」というものです。

これ以外にも国庫負担金というものがあり、3分の1は国から出されています。

公立学校 → 主に都道府県や市区町村、一部国が負担
私立学校 → その学校の設置者(運営主体)となる学校法人

教員の平均給料

教員の給料は、持っている免許の種類や教員になってからの役職などによって変わります。

教員の役職というと、校長、教頭、主幹教諭、といったところが分かりやすいです。
上の役職になるほど給料は高くなります。

公立の小・中学校教諭の平均給与は、

大卒短大卒
1年目~5年目月21万~29万前後月19万~27万前後
5年目~10年目月29万~37万前後月27万~35万前後

このようになっていました。かなり雑にまとめてしまったのですが、おおよそこれ位です。
階級や役職など、細かいところまで規定があるようです。

教師の残業代はどうなっているの?

噂で聞いたことがあるかもしれませんが、教師の残業時間は月45時間以上を越えることもしばしば有ります。過労死ラインを越えている教師が大勢いており、働き方改革が急務となっています。

これだけ働いていても、教師に残業代はありません。

ただし、残業代に代わるものとして、一定の額が給料に上乗せされています。
それが「教職調整額」というものです。

教師も公務員ですが、行政などで働く公務員とは職務の性質が異なることから、一般的な時間外勤務手当は合わないと判断されました。
そこで「国立及び効率の義務教育諸学校の教育職員の給与等に関する特別措置法」が制定されました。

「教職調整額」を一律で支給(給料月額の4%)
②時間外勤務手当を支給しない
③時間外勤務命令は限定的にする(超勤4項目)

給料月額の4%となると、給料が月25万円の教員の場合、単純計算で月1万円支給されることになります。

さて、教師の残業時間を考えるとこの1万円というのは適当だと思いますか?

この教職調整額については見直しの動きも出てきています。

教職調整額は、残業をしてもしなくても一律に支給されます。
教員の残業時間が1日5時間以上の人でも、残業をしない人でも同じく4%支給されるのです。

教員間でも勤務時間の差がありことから一つの政策課題として取り上げられ始めているようです。

さて、冒頭にも書いた通り、これをみて教師という職業と給料についてどう感じましたか?
正直、私は教師の志願者が年々減っていることに納得しかありませんでした。

土日の部活動の地域移行の動き。部活動は必要なのか?

部活動の教育的意義

学習指導要領には次のように書かれています。

スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるように留意すること

『新学習指導要領』文部科学省

部活動は、児童生徒の自主性・主体性を育むために教育活動の一環として必要とされています。

部活動における教師の視点

教師は部活動において次のようなことが求められています。

◎生徒が主体的・積極的に参加できるような配慮
◎「協力」などによる人間関係を育てる指導
◎個性の尊重と柔軟な運営
◎能力・適正・興味・関心等に応えつつ、健康・安全に配慮

これらはどれも生徒が活動していくための環境整備になります。

これだけ聞くと普段の授業時とさほど変わらないように感じますが、そうでもありません。

その教師が活動内容に関して初心者であったとしたらどうでしょう。体育でしかバスケをしたことがないのにバスケ部の顧問をしたり、音楽の授業でしか楽器に触れたことがないのに吹奏楽部の顧問をしたりすることになる可能性もあります。

それでも多くの教員は、生徒達の活動を成り立たせるために空き時間を作って担当の部活の内容について学んでいます。

ただでさえ多忙な教師がなぜそこまでして学ぶのかというと、仕事に必要だからです。
部活動を通して生徒の変化に気が付いたり、指導をしていくには未経験の分野にも取り組まなければなりません。

普段の業務に加えて、慣れない活動について学んだり、外部とコンタクトを取ったりもします。
さらに、土日に活動をする部活も少なくありません。
ちなみに土日の部活動の手当は4時間以上で3,000円程だそうです。

そんなに大変なら部活動はなくても良くないか?というのは極論です。
部活動の教育的意義もありますし、地域にとってもメリットはあります。

部活動の地域移行するメリット

これまでの教師の労働時間に対する給料を見てきてどう感じたでしょうか?

教師は確かに子どもの成長に大きく関わる重要な存在です。
より良い教育をしていくには相当な努力が必要となります。

しかし、教師も一人の人間です。休みなく働く理由にはならないと思います。

さらには、休みがないことで日々の仕事の質が落ちることも懸念すべき点です。

休みの日はしっかり休むべきだし、仮に部活動を委託することが出来れば、残りの業務時間を授業準備や事務作業に当てることが出来ます。それによって残業時間も減るのではないでしょうか。

結果的に質の良い教育を提供することが出来ると考えます。

また、学校としては「地域に開けた学校づくり」というものをしていきたいのです。

そのために、体験学習であったり、地域の人を巻き込んだ学校行事の開催、地域行事へ学校として参加するなどの取り組みが行われています。

なぜ、地域を巻き込もうとしているかというと、学校という閉鎖空間の中に地域や保護者の意見を取り込みたいからです。学校としては、子どもの教育は学校だけで成しえるものではないと考えています。

体験学習では地域の産業を知ることもでき、そこから児童生徒がその仕事に興味を持つかもしれません。地域を巻き込んだ学校行事やイベントがあれば地域の活性化にもつながります。

これまで行われてきた開かれた学校づくりの活動として、部活動があっても良いですよね。

☆メリットまとめ☆
・教師の労働環境の改善
・教育の質の向上
・開かれた学校づくりが出来る
・地域活性化
・児童生徒が親や教師以外の大人と関わる機会になる

部活動の地域の担い手を考える

ここで一つ私が疑問に思ったことがあります。

あかねは<br>ショートヘアⅴ
あかねは
ショートヘアⅴ

部活動の地域移行は賛成しています。

ただ、地域に協力を仰ぐというけれど、部活動を見てくれる人がそんなにいるとは思えないよ?

部活動は平日は16時~18時、土日祝日は9時~13時or13時~17時など、この位の時間帯で行われることが多いのではないでしょうか。

地域の人々も仕事をしています。また、マイナーな部活動は経験者を集めにくいし、過疎化が進む地域でも担い手をみつけることが難しそうです。

「部活の時間は上記の通りで、多いと週5~6日活動し、夜練有の可能性もあり、
テスト期間は部活が中止され、振替休日や学校行事で活動しない日もあるが、
大会前やコンクール等が近い時期や部活動の強化期間は普段より活動時間が多くなる」

こんなにも時間に一貫性がない活動を支えられる方はそう多くはいないかと…。

土日祝日であれば行けそうな感じはありますね。

ただ、私は部活は基本的に教師が受け持たなくても良い環境の方が良いと思っています。

部活には無干渉になるのではなく、平日の何日かは様子を身に行くとか、当番制で部活の終了時間を見届けるとかはあるべきかなと思っています。

そうでなければ部活動の教育的意義が失われてしまいます。

ただ平日がネック過ぎるんですよね。

大学生アルバイト → ない地域は?
パートさん→夕方の時間NGな人多い気がする
フリーターさん → 勤務時間的に収入はあまり望めない。Wワークしたい人なら有?

立地・時間的な問題から多く集まるのは厳しそうにみえます。
地域に学校数や、校内の部活の種類数分、人手が必要になってきます。

しかし、地域移行は段階的に行っていくということなので色々と考えてみました。

・地域の人、OB・OGが引き受けてくれそうであれば
・実習生公募
・他学校と合同で部活を行い、教師の当番制
・非常勤講師
・企業(部活動支援の企業は有るようです)

地域に部活動を見てくれる人がいるのが良いのですが、それが難しいことももちろんあります。

調べてみると部活動の指導員を派遣してくれる企業もあるようですので、地域に協力を仰ぐのが難しい場所でも担い手を見つけていくことは出来そうです。

部活動移行するにあたっての課題

部活動の地域移行が進むにつれて様々な課題が出てくると考えられます。

地域移行が難しい地域はどうするのか
どうしても地域で部活動を見られる人がいないということもあるでしょう。

その場合は教師がこれまで通りの対応をしていくのでしょうか?

それでは地域移行が上手く進まなかった地域の教師の労働問題は改善されませんし、教育水準と差が出てくる可能性もあります。

企業の参入を促すのか、他行と合同で行うなどして負担を軽減させる方法を考えるのか、早い段階で解決策を見つけなければなりません。

責任は誰が持つのか
部活動中に生徒や指導者がケガをしてしまった時や、事件・事故・災害に巻きまれた時、備品を壊してしまった時など、活動中に起こるトラブルの責任は誰が負うことになるのでしょうか。

また、責任の有無に関わらず、指導者に対して緊急時の対応について確認、すり合わせをしなければなりません。

事前の話し合いはもちろん、マニュアルの完備、定期的な指導者との面談は必要になってくると思います。

生徒に関することについて
生徒が抱えていることをどこまで指導者に知っていてもらうべきなのでしょうか。

病気やアレルギー、怪我等、健康上の問題で共有すべきことはあるかと思います。

しかし、生徒同士の関係性や家庭内事情、生徒の性質(癇癪を起しやすい、潔癖症等)等は、共有するべきなのでしょうか。

個人情報の保護
③と関係してきますが、生徒の個人情報の保護はしっかりと行わなければなりません。

生徒のケアと人事
仮に部活動内で何かがあった場合、生徒のケアをしなければなりません。

そのために定期的に指導者と面談が必要になってくると思います。

面談の頻度や担当者はどうするのか、記録の取り方なども考えなければなりません。

また、仮に生徒から指導者を変えてほしいとの声が大きかった場合の対応なども公正な視点から考えなければなりません。

部活動移行は賛成派なので、上手く移行が進めばよいなと思っています。

お読み頂きありがとうございます。

あかね

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