【発達心理学】発達課題とは?時代背景や社会情勢によって変化するべきもの?

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 こんばんは。あかねです。
 前回に引き続き発達心理学の勉強をしました。

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発達課題とは  

 発達に要する時間に個人差はありますが、発達していく順番に変わりはありません。もちろん、次の発達段階に進むには、それ以前の段階が十分に発達していなければなりません。例えば、赤ちゃんが自力で歩けるようになるには、その前に自力で立てるようにならなければいけない、といった感じです。

 赤ちゃんが自力で歩ける段階になるには、何が出来ていなければならないのかという目標の様なものとして、「発達課題」が設定されています。発達課題という概念を初めて最初に用いたハヴィガーストは、「生きてゆくことは学習であり、成長することも学習である」と述べています。乳児期~成熟期まで、生涯を通しての発達課題について書かれています。 

発達課題と時代背景は密に繋がっている 

 しかし、発達課題は、時代、社会的背景、文化によってその時の大人が考えたものです。それぞれが思う「ひととして成長した」ということに必ずしも当てはまるものではありません。子どもが本当に必要となる発達課題であるのか、評価・改善を続けていかなければならず、柔軟な対応が必要になります。 

 分かりやすいところだと、男女に関する問題があります。1970年代以降、女性の社会参画、男女平等の動きが強まりました。フェミニズム運動(1970年代~)、男女雇用機会均等法(1985年)、育児休業法(1990年)といったものがあります。
 近年、男性の育休に取得に関する議論を度々見かけますが、1990年には男女問わず育休が取れる法律が出来ていました。それにも関わらず、男性の育休取得に消極的な企業が未だ多く見られているのが現実です。育休自体は取れけれど、戻ってきてからのポストがなかったり、左遷されたりと、男は仕事、女は家庭という固定観念を捨てきれないところも多いようです。 

 話がそれましたが、以前は性別による社会的役割がありましたが、現代ではそんなことありません。よって、発達課題において男女の社会的役割を認識させるというのは、今後、子どもが成長を遂げた時に役に立つものにはなりません。ハヴィガーストの時代背景とは異なっており、時代や社会、文化によってその都度考える必要があります。 

発達課題に取り組めない子ども 

 これまでは、順調に発達していくことが前提のように書いてきました。しかし、順調に発達を遂げることが出来ない子どももいます。歩くことが出来ない、言語習得が困難など、障がいを持って生まれてくる子どももいます。子どもと社会との関係の築かれ方において、発達課題達成の有無で必要となるのは、バリアフリー化や点字、音声案内等、適切な環境になります。 

発達課題として形式化するのではなく両者の関係をみる 

 不安が多い子育てにおいては発達課題が具体的に挙げられていた方が、安心できそうではあります。しかし、発達において重要なことは、個人の人格の形成です。子どもが成長してから、社会において自立して過ごせるようになることが目標ともいえます。発達段階は変わりませんが、その時期には個人差があります。その点からすると、発達課題が規定化されていては、子どもの主体性を無視した大人の一方的な押し付けになってしまいます。 

 発達には個人差があるからこそ、発達課題は規定化されるべきものではないものです。発達は、子どもの主体性と、周囲の人々のはたらきかけの相互作用によって促されるものであるため、子どもとはたらきかける人々の中にそれぞれで持つべきものと言えます。 

まとめ(ほとんど感想) 

 個人的に重要だなあと思った点について書いていきたいと思います。 

①発達に要する時間に個人差はあるが、発達していく順番に変わりはない。 

→「あの子は出来ているのに、うちの子はまだ出来ない」と焦る必要はあまりないのだなと。それこそハヴィガーストの発達課題などの包括的にまとめられたものにおいて、著しく遅れがみられる場合には焦るかもしれませんが。もちろん、相談出来る専門機関もありますし、随時周りの子と比べていると親側が疲弊しきって子どもに悪影響を与えそうだなとまで思いました。 

②発達課題の、評価・改善を続けていく 

→実際、親世代と子ども世代にはジェネレーションギャップがすごくあります。私は学校で技術・家庭科どちらも習いましたが、親世代では男子は技術、女子は家庭科と分けられていたと聞いています。それが今の社会情勢に合っているのかと聞かれてら合っていないと即答出来てしまいます。親世代からしたら今までの常識だったから気が付いたり変えたりすることは難しいことだろうとも思います。

 でも時間とともに合わなくなったものを子どもに押し付けていたら、子どもが苦しむだけですよね。 

 発達の要因として環境か遺伝かという論争もありました。今回はふれることが出来なかったのですが、次に勉強記事をアップする時には触れたいと思います。 

参考文献
『子どもの発達心理学』1993年2月10日
著者:高橋道子 藤崎眞知代 仲真紀子 野田幸江
発行所:株式会社新曜社

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 お読み頂きありがとうございます。 

あかね 

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